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歴史の裏側のひと。ラヒームさん。

ども、お久しぶりです。生きてます。

さて、
教科書でお世話になったラヒームという詩人がいる。
そのあまりの波瀾万丈な人生に思わず「ラヒーム萌え」してしまった。

とりあえず、試験終わったその足で彼のお墓参りに行って来た。
rahim1.jpg

ラヒーム
本名 アブドゥル・ラヒーム・カーネ・カーナーン 1556-1627

ムガル帝国第3代皇帝アクバル(アグラ城作った人)、
第4代皇帝ジャハーンギール(タージマハルを作るのはこの人の三男)、
第5代皇帝シャー・ジャハーン(タージマハル作った人)に仕えた大臣で詩人。

って、何がすごいって、ラヒームさん、時代の波に翻弄されまくり。
その波乱の人生は皇帝の偉業の影で目立たないが、軽く大河ドラマの主人公になれそうなイキオイである。

ラヒームの父、バイラム・カーンは第2代皇帝フマユーンの大臣。
しかし、フマユーンは49歳の若さで「階段落ち」して事故死。

急遽、息子のアクバルが14歳の若さで即位。
しかし、幼いのでバイラムが後ろでバックアップ。

その4年後、亡き父の旧臣たちがウザくなった若帝アクバルはバイラムに「メッカ
にお参りにでも行って来てよ」(彼等はイスラム教徒)と事実上の引退勧告。
その話を承諾したバイラムだが、ジャイプールで「政敵に」暗殺されてしまう。
ラヒーム当時4歳。

さすがに、かわいそうだと思ったのか、アクバルは未亡人となってしまったラヒームの母を自らの後宮へ入れる。

ラヒームは高等教育を受けてアクバルの補佐を努められるまでにめきめきと成長。
アクバルの息子達の教育係もつとめ、作詞も多い。
「道徳のための二行詩」なども大量に遺す。
今も彼の詩は教科書に載るレベルである。

時代は移り、
1576年にはバラナシで詩人トゥルシーダースが「ラームチャリットマーナス」(ざっくり言うと「ラーマヤーナ」のヒンディ語版みたいな)を完成させる。
1605年、アクバルの息子ジャハーンギールが第4代皇帝になり、
後の5代皇帝になるシャー・ジャハーンは結婚。妻はムムターズ。

さらに

1618年には6代目皇帝となるアウラング・セーブが生まれている。
(後にクーデターおこして、兄2人を殺し、父王を王位から引きずり下ろして皇帝になる)
1627年長年使えた4代目ジャハーンギール死亡。同年、ラヒームも死亡。享年71歳。

ムガル帝国の裏側で全てを見て来たラヒーム。すげぇ。
ムムターズとかとも絶対生で会ってるし、トゥルシーダースとも親交があったと言われている。「うっわ、このトゥルシーの新作おもしれー!!なにこれ!」とか思った可能性は0じゃないわけだよ。
ドラマチックすぎるwwwwwww



rahim2.jpg
で、前振りが長くなりましたが、そのお墓、ひっそりとありました。
訪れる人もまばらなカーネ・カーナーン廟。

rahim3.jpg
昔はけっこうきれいだったと思われる。

rahim4.jpg

ここにご本人様が眠っているのかは不明。
rahim5.jpg

ラヒームはイスラム教徒なのでイスラム様式のお墓なワケだ。
だが、廟の裏側で孔雀のシンボル発見!
rahim7.jpg

イスラム様式ではあんまりない事だと思うんだな。こういう生き物の意匠は。
しかし、ラヒームは宗教に寛容なアクバル帝の下で育ったため、クリシュナ神への詩も遺してる。

rahim9.jpg
孔雀=クリシュナのシンボル。

rahim8.jpg
感慨深いなぁ。しみじみ。

場所はニッザムディーンのフマユーン廟から徒歩5分。
ぜひ一度、ムガル帝国の名脇役の眠る場所も見に行ってみて~。

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コメント

[C245] 勉強になったとです

ほんとど知らないかった
インドの歴史触れられた気がします
気のせいかも知れませんかw
でも、ちょこっと興味は湧きましたです( ´艸`)
  • 2012-04-20 01:34
  • こじま
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  • 編集

[C246] こじまサン

どもです。いやー私も歴史全然だったんですが、教科書でラヒームの詩(道徳の二行詩)が出て、あまりの難しさにwikiったら、その時代背景が面白すぎてハマったってカンジですw

ベルセルクも真っ青のドロドロっぷりっすよwwww
  • 2012-04-20 01:40
  • なまえをいれてネ☆
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  • 編集

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